ルドルフシュタイナーとは
1861-1925(没64歳)
神秘思想家、哲学者、教育者であったルドルフシュタイナーは幼少期から「内面において直観される世界」に特別な思いを抱いていました。
霊的な次元に対して敏感だった彼は人間に内在する本質が、霊的なものであることを確信し、目に見えない、超感覚的世界についての「真理を探究すること」に注力していくことなります。
人間は五感を超えた高次の感覚(霊的感覚、超感覚的認識)によって初めて事物の本性を把握することができる。
“宇宙を認識したければ、汝自身を見るがよい。人間を認識したければ、宇宙を見るがよい。”
彼の言葉は釈迦に通ずるものがありますね。
シュタイナーの本は基本的に難解です。シュタイナーの思想や生い立ちがぎゅっとまとめられていますので、初めて読むなら『神智学』がおすすめです。
神智学とは
人間には神秘的な霊智があり、これによって自身の内面に神を見うると説く一種の神学。シュタイナーは神智学を以て、科学と霊性に統合性を見出そうとしました。彼は人間の内面における現象(所謂スピリチュアル)を、科学と同様に体系的にまとめ上げ『霊学』と称し、一つの学問へ押し上げることを信念として活動していました。
アカシックレコード
アカシックレコードとは、2024年現在スピリチュアル的な域を出ないものですが、この世のすべての情報(過去、未来も含む)が保存されている図書館のような存在があると言われています。
シュタイナーは霊学の構築に傾倒していく過程で自らの霊力をも向上させた結果、アカシックレコードにアクセスすることが可能だったと言われています。
その証拠に彼は予言者としても名が知られており、そのインスピレーションはアカシックレコードから受け取っていたのかも知れません。
ルドルフシュタイナーと日本への予言
シュタイナーは当時ヒトラーやナチスの台頭、共産主義国の存続を言い当てるなど予言者としても有名でした。
シュタイナーと弥勒菩薩
シュタイナーは仏教について深い洞察を持っており、弥勒菩薩について数々の予言をしました。
きっかけは彼が人智学会に所属していた頃『東方の星』という結社がインドの少年クリシュナムルティを弥勒菩薩であるとしたことに対して、自らの霊的洞察からこれを誤謬であると広めるために弥勒菩薩をテーマとした講義を数多く行います。
しかし現代の研究家によって、その弥勒菩薩は新宗教『大本』の二大教祖の一人『出口王仁三郎』だったのではないかと言われています。
西洋と東洋の思想を融合しようとしたシュタイナーと同様、王仁三郎も弥勒菩薩とキリストを同一、つまり世界を対立から和合へ、信念として広めようとしていました。
シュタイナーと出口王二三郎は当時出会うことはありませんでしたが、二人の間にシンクロする点が多く見られることは興味深いところです。
日本への予言
シュタイナーの日本への言及は数少ないものの、日本の潜在力を見抜いている鋭いものとなっています。
日本は世界の頂点であり地球の構造は、四面体でできていると考えました。シュタイナーによれば、地球は球体に見えるが本来は四面体であり、底面の三角形の角には、中央アメリカ、南極、コーカサスがあり、底面には、アフリカ、南米、大西洋の南部全体があると言います。
そして地球ピラミッドの頂点に位置するのが日本だと述べています。
四面体の辺の部分は、地球のプレートの境界に該当し火山や地震が多く発生するエネルギーの高い場所。
その辺の頂点に位置しているのが日本という事です。
また出口王二三郎が教祖であった『大本神論』にも、日本が世界のひな型である事が書かれています。
日本列島は世界の縮図であり、土台になっていると王仁三郎は提唱しました。
日本の立ち位置の重要性についても、シュタイナーと王仁三郎の認識がシンクロしていたことが分かります。
数多くの能力者が日本を高次の霊性の地であることや、世界のひな型と言われるように、シュタイナーも同様に日本が世界の中心であると認識していたことが伺えます。
2000年代に暗黒邪神が降臨
シュタイナーは2000年代に暗黒邪神が降臨し、人間の成長を妨げ、大きな厄災をもたらすと予言しました。
暗黒邪神とは、ゾロアスター教の邪神アーリマンのことであり、キリスト教の悪魔やサタンの原型となった悪魔で、別名、唯物論の悪魔とも呼ばれ古代ペルシャの時代から恐れられていた存在です。
ゾロアスター教とは
一説では紀元前6〜7世紀に古代ペルシア(現在のイラン北東部)で成立したとされており、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教などに影響を与えた世界最古の宗教です。
『救世主信仰』、善と悪の神からなる『二元論』、火・水・空気・土などの『自然崇拝』が挙げられます。
ルシファーとアーリマン
シュタイナーは、人間を蝕む悪魔を『ルシファー』と『アーリマン』と冠して悪の二大原理として提唱しました。
人間が物質的なものを追い求めて精神性を劣化させる<アーリマン>、人間が行動や選択の自由を行使するがそれが悪行に繋がる<ルシファー>です。
この二者は振り子のように交互に人間界に作用しており左端がルシファー、右端にアーリマンが存在し、一定の周期で人々の哲学的思想が切り替わります。
中央に位置するのが宗教信仰イエスキリストとされ、人類に救世主が現れて文明が安定的に栄える時期だと読み取ることができます。
シュタイナーはこの暗黒邪神アーリマンが人間の姿となって、2000年代にこの世に現れると予言しました。
アーリマンとは何者か?
唯物論の悪魔、つまり物質主義のこの世界で不調和を起こす存在。それが人間の姿となって現れる。この意味を考察してみましょう。
ある人間へとアーリマンの魂が転生されてこの世に生を受けた人物なのでしょうか。
僕はシュタイナーの思想から考えて、人間の『姿』という言葉に比喩的な表現を感じることからも、何かを暗示しているのではないかと推察します。
そのカギとなるのが、2000年代に登場したスマートフォンです。
シュタイナーは人間が直立二足歩行なのは動物の中で唯一思考ができる為だと考えました。
いっぽうで同じ直立二足歩行にみえるペンギンは頭を傾げているために思考を持つことが出来ないと区別しました。
つまり人間にとって頭を地面の方へ傾ける行為=思考を低下させていくことを意味します。
シュタイナーはアーリマンが人間へ及ぼす影響をこう述べています。『人間の成長を妨げ、大きな厄災をもたらす。』
アーリマンとはスマホを介して人間へと入り込み、人間から思考を奪う悪魔的存在だと解釈できます。
スマートフォンの登場によって、全員が同じ体勢を取らされる一方(思考停止)で、各人全く違うものを見ている(分離)が二元論に拍車をかけています。
比喩として思考を持たないペンギンのような姿になることを、人間の姿として現れると表現したのでしょうか。
つまりアーリマンとは現代の僕たちそのものを指しています。 僕たちは既にスマホという唯物論の悪魔に蝕まれているということになります。
唯物論への警鐘
故にシュタイナーは人々が危険な唯物論に染まり、霊学にわずかな理解さえ示さない、物質に溢れかえる世界に対して100年前から警鐘を鳴らしていました。物質偏重に傾きすぎた今の文明の在り方を正すために人類の霊的向上を促そうと啓蒙を行ったのです。
事実シュタイナーが没した13年後、1938年にハーン、マイトナーによって核分裂が発見され、その後エンリコフェルミによって原子核分裂の連鎖反応の制御に成功します。
しかしながら、これらの成果は核戦争というスイッチ一つで地球を破壊しかねない世界を生み出すことになりました。
彼が生きていた時代は、まさに物質文明が極限にまで達する直前の時代だったと言えます。シュタイナーは人類の本質である霊学を学問化し、暴走へと進む物質文明に対抗しようとしていたのかも知れません。
精神主義の時代到来を予見していた
シュタイナーが見出そうとした人間が持つ霊的な力は、オカルトやスピリチュアルといったものに分類され拒否反応を起こす人も多いと思います。
なぜならこれらの目に見えない力の存在は、単純科学(古典力学など)の発展を阻害するものであり、これまでの西洋が中心となる物質文明には必要とされなかったのです。
物質的な力が強大になり過ぎた20世紀。人類の文明においても物質と精神はともにバランスを取っており、悪の二大原理と同様にどちらかに偏るとその反対へと戻る作用が働きます。
そのために、物質的な繁栄があった先には、必ず精神が繁栄する時代が反動としてやってきます。
それが地球規模で働く文明興亡の法則である、ガイアの法則にも現れます。
彼は必ず霊的な学問が必要とされる時が来ると予見し、人間の内面における現象を学問へと押し上げる活動に注力していたのだと考えます。
物質に溢れた現代に生きる僕たちは、何か大きな勘違いをしているのかもしれません。
シュタイナーと超古代文明
人智学によれば、現在の人類の祖先が地上に現れたのはアトランティス時代をさらに遡ったレムリア時代とされています。(諸説あります)
所謂、超古代文明と言われており都市伝説の域を出ない話題ではありますが、今から約1万5千年前に大洪水によって一夜にして沈んだとされています。
レムリア文明は太平洋に存在したムー大陸で繁栄した文明の一つだったと考えられています。レムリア人は争いを好まず平和な社会を築き、また言語は持たず テレパシーで意思疎通をしていたと考えられています。
縄文が古代文明の一つであったレムリアとの関係性
レムリア、ムー大陸が沈んだ際、生き残ったレムリア人は現在の環太平洋沿いの高い陸地へ逃れるように散り散りになっていった。
その生き残りのうち日本列島にたどり着いた集団が縄文人の祖先だったという説があります。
環太平洋沿い(日本~台湾、フィリピン、ミクロネシア、ニュージーランド)の民族の伝承や口伝に共通項が多くあり、かつては一つの海洋民族だったのではないか。というエンシェントワンワールド説も最近の研究で明らかになりつつあります。
これはかつて太平洋の真ん中に大きな大陸があった、という一つの根拠になり得るかもしれません。
世界を再建して回った集団が縄文人だった
大洪水によってムー大陸だけではなく、世界中の文明社会が一夜にして洗い流され、沈みました。
その後日本の神話に残るように、イザナミ、イザナギが淡路島を作り、スサノオが初国日本を大海原にしろしめした。
これは大洪水によって沈んだ世界の再建を日本人が行ったことが神話のもとになっていると言われています。
その証拠として、世界各地にスサノオの名が数多く残されていることが挙げられています。
そのため、日本人は世界の最長老民族であり、現在の不調和を起こした世界を丸ごと抱きかかえて一元論(天地和合)へと導くことができる能力と使命があると言われています。
これが現在、日本が世界を先導する存在であると言われる所以です。
対立から和合へ
少なくともこれまでの歴史上の人類文明(メソポタミア以降)はこの西洋型哲学である二元論が基礎となっています。
ルシファーとアーリマン、ガイアの法則からも読み取ることができるように、これらに共通するのはお互いが打ち消し合う事で存在している二元論的思想です。
二元論は、人類に区分け、境界、比較、という概念を植え付け、人類に強欲や嫉妬(七つの大罪)という利己的な精神を生み出しました。
それは現代においても敵味方、国境、勝敗、貧富、収奪といった西洋が作った世界情勢の基礎になっています。
シュタイナーはイエスを頂点としたキリスト教、即ち西洋的思想をもつオーストリアに生まれました。
彼はこの物質世界になじむことが出来ず、むしろ霊界のほうにリアリティを感じていたと言われます。
霊学を研究していく過程で、東洋的な一元論的思考へとたどり着いたシュタイナーは西洋(二元論)と東洋(一元論)の間に立ち葛藤していたのではと感じます。
シュタイナーはこの唯物論が支配する世と、霊界とを結ぶ手段を東洋の弥勒菩薩に見出したのかもしれません。
東洋的視点から見れば、悪の二大原理は光にもなり得る。
その思いが、遠く離れた日本の出口王仁三郎を動かしたのでしょうか?
シュタイナーの先見性は天才科学者ニコラテスラに匹敵するレベルで時代を先取りしていたが故に、生まれた時代が早すぎた人物の一人だったように思います。
シュタイナーと王仁三郎が思い描いた和合の世界という大きな目標へ動き出す、ようやく時代がシュタイナーに追いついてきたのかもしれません。
コメント