【デジタル監獄社会】日本人はどう生きるか

世界の謎

デジタル監獄社会

 2007年6月29日、初代iPhoneが発売された。

 この時点でわずか10年足らずで世界中の新興国、アマゾン熱帯雨林奥地の先住民族にまでiPhoneが行き渡ると誰が予測できただろうか。

 このスマートフォンの登場により人類は第二の脳を手にした。果たして進化なのか、退化なのか、未だに答えは出ていません。

 いまやスマートフォンが起爆剤となり、目に見えない電波にがんじがらめに絡めとられた人々は、デジタル監獄の中で生かされている。

 スマートフォンが無かった時代と比較して、視覚、聴覚、触覚、朝起きた瞬間から夜眠りにつくまでのあいだのあらゆる感覚器官、行動様式、加えて価値、思考、文化といった感覚が狂ってしまったように感じませんか?

 全ての活動がスマートフォンによって支配され制限され、制御されている。

 このような社会へと移行しつつあるのは間違いありません。

娯楽デバイスからインフラへ

 iPhoneの原型は音楽プレイヤーであるiPodでした。ここにインターネットと電話機能が合体することで、世界の通信に革命が起きました。

 通信シンギュラリティがここに成立しました。これによってiPhoneは娯楽デバイスからインフラデバイスへと進化します。

 2010年代。iPhoneだけでなく様々なメーカーがスマートフォンを開発するスマホ戦国時代へと突入。

 SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は人々を遠隔で瞬時に、いつでも繋がることができるという人類初の体験、まさに次世代のシステムを享受する時代へと導きました。

 ところが2020年代に入って暗雲が立ち込めます。まるでデジタル通信のような速度で、スマホ時代は衰退期へ。

スマホ前提社会

 『情報爆発』。

 一見便利だったSNS。仕事でもプライベートでも常に大量の情報に晒され即時対処が求められる時代。既読?未読?既読無視?何でもかんでも可視化してしまうSNS機能。

 見なくても良いものまで強制的に見させられる。これによって想像力が暴走して悪い方向へと向かってしまった。

 その結果、互いに監視し合い、不信、疑心、批判、口撃・・・ぎすぎすした人間社会になってしまった。つまり、人々の脳がスマートフォンに追いつかなくなってしまったのです。

巨大IT企業への依存

 iPhoneを使ってGoogle検索、Amazonで買い物…FacebookやXでSNS…ExcelやPowerPointで資料作成・・・このデジタル時代に於いていずれも人々の生活に無くてはならないものになっています。

 ビッグテックと呼ばれるGAFAMが提供するサービス、プラットフォーム下で僕たちは日々を送っています。

 エンタメを提供する華やかで、便利なプラットフォームを提供するデジタルコンテンツ。

 見たい情報、欲しい情報に瞬時にアクセスできるその背後には、AIのアルゴリズムによる情報統制、フィルタリングが行われ、各個人の情報、行動、趣向を監視収集している

 利便性と娯楽性を前面に押し出して全世界に行き渡らせた後、デジタルコンテンツは情報と金を吸い上げる手段へと移行する。

 娯楽を餌に個人情報を、自ら差し出させる。一般大衆は、労働ではなく新たな形の収奪対象となっている。

 これら巨大IT企業の思惑は、その資本力で以て世界を支配下に置きたいようです。

検閲行為

 彼らの企業理念、多様性、公平性、包括性に反する行為を行うユーザーを『アカウント凍結』という神の鉄槌で容赦なく切り捨てます。

 その基準はブラックボックスであり一般に開示はありません。理由開示もしないし説明もしない。救済措置もありません。

 ”グローバル企業って実は心と心が通わない世界を作りたいんじゃないかってくらい違和感ありまくる。”

X/ショウタロ

 という直感的な疑問は正しかったようです。

 彼らは大衆を画一化し思考を奪う一方、分断や格差という利ざやを作り出し、そこにビジネスを見出す。例えそれが非人道的行為であっても。です。ここには西洋の歴史が深く関わってきています。

AI戦争のリスク増大

 事実、Googleは2025年2月、AI基本理念から、『兵器利用禁止原則』を削除しました。同様にOpenAIも1月に『軍事・戦争目的への使用禁止』の一文を削除しています。

 世界中に張り巡らされたネットワークシステムという導火線を利用すれば、AIは核よりも効率的に目標を滅ぼすことが可能です。

 このような重大な変更を一企業の判断に任せている上に、世界が成り立っている。恐ろしい世界へ突入しているのです。

デジタル社会ディストピアは近い

GAFAMが作り出す世界の全体主義化

Amazonに講談社ら激怒「一方的に配信停止された」

 講談社がAmazonへの抗議文を発表。電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」で、講談社の書籍約1000冊が一方的に配信停止されたことへの抗議だという。

 彼らは対企業でも平気でこのような対応をします。これら欧米製のプラットフォームは一方的かつ支配的な態度がカスタマーに対しても実行されます。

 日本人の感覚からすると、顧客に対しての対応とは思えないようなものですが、彼ら西洋思想からすると通常運転らしいのです。

日本政府のクラウド事業にAmazonが参入

 中央官庁と地方自治体の全行政情報を統合してクラウド上で運用するガバメント・クラウド。行政に関わる業務システムを統一されたクラウド上に集約、共通化・標準化した上で『監視運用』できるようにした政府共通のサービス利用環境です。

 これによって、日本国民の個人情報(戸籍や住民票等)がアマゾンウェブサービス(AWS)で保管されるようになる。彼らにとって情報は金脈。まさに外国に日本を売るような行為と言えます。

 このような思想が大きく異なる人々が運営するサービスを日本国家が導入することは、国防上のリスクだと思います。

 一方的なシステム変更や規約の変更・・・対企業でもやるなら、国家単位でも躊躇しないでしょう。枠組みから外れようとする対象者は容赦なく切り捨ててきます

 切り捨てられた国民は、行政サービスを受けられなくなる。皆そうなるまいと制限された振る舞いを取らざるを得なくなる

 つまり事実上のトップダウン型圧力、AIを利用した言論統制や行動制限・・・これらは全体主義的な世の中に向かう恐れを孕んでいます。

はりねずみ
はりねずみ

 これは、かつてのものとは違う特徴を持つ新しいタイプの全体主義と言えるでしょう。

西洋文明の弱点

 この人たちの欠点は、日本企業のような顧客に寄り添う双方的な対話サービスです。そもそも、一神教由来の西洋は日本人のような双方向の対話力が欠落しているのです。→日本人を壊すディベート力

低レベルすぎるAmazon配送

 天下のAmazonが行う配送サービス、Amazonフレックス

 ネット検索でぼろぼろ出てきますが、配達員の能力なのかシステム欠陥なのか、苦情だらけ

 配達員から顧客への電話攻撃、ありえない時間帯での配達などなど彼らは機械による効率化、合理化は得意だが、対顧客に必要とされる臨機応変な対応や調整にはとんと機能しないようです。

 最終的には顧客を自分たちのシステムに無理やり取り込もうとする始末。

 このような企業レベルでも現れる一方通行で自己主張的風習・・・彼らは相手の立場になって考え行動するという思考が第一に欠落しているのです。

 その点、クロネコヤマトや佐川といった地域に根ざした日本の配送業者、頭が下がります。不在、時間、場所指定、再配達、正確な配達は、職人レベルと言えますね。

制御不全と化したカスタマーサービス

 そのほかにも彼らが苦手とするサービスにカスタマーサービスが挙げられます。

X(旧Twitter)アカウント凍結問題

 登録メールアドレスが機種変更などで既に利用できない場合、アカウントにログインできなくなり、事実上の『凍結』状態に。これに対して、Xに問い合わせをしてもテンプレ回答の応酬。無限ループ問題。

リサ
リサ

 もうサービスでもなんでもない・・・(汗

オペレーター(人間)たどり着けない謎システム

 このようなSNSなどの外資系カスタマーサービスに見る一方的な対応。

 アカウント凍結などの問い合わせフォームによくあるのが1回きりの異議申し立て制度。そもそも『異議申立て』って何なんでしょう。

 企業側が抵触基準を明示していない時点でユーザー側は推察するしかない。その推察が外れていれば、異議は却下され再度の申し立てを受け付けないという。さすがにユーザー側が不利過ぎると思いません?

 僕自身も以前申し立てを行ったことがありますが、定型文のみメールで返信があっただけ(アカウント再開不可能)で個別回答は未だありません

はりねずみ
はりねずみ

 せめて意見を今後の参考にしますくらいのメールでも送って来いと(怒り

 彼らは顧客を人ではなく数としてしか見ていない。このような感覚の企業が世界を、そして日本を実質的に支配しているのです。

利便性や効率を追求した先に求められるもの

 人の心の往来を完全に無視したシステムは近い将来崩壊する。僕はそのように感じます。

 西洋デジタル革命による効率化は、人の心さえも機械の枠組みに取り込もうとする。彼らの思考は、人間の対話すら非効率なものとして捉えていることが垣間見れます。

 企業と顧客のあいだにAIを置くことで人間的な双方向対話をシャットアウトし、自分たちの都合の良い、ある意味羊だけを囲い込もうとしている。

 金を吸い上げるため合理性、効率性、採算性を最上とする西洋の資本主義は、Aiの登場で最も時間と手間がかかる複雑な人間間コミュニケーションをも、AIを利用してふるい分けし、整理し、ルーティン化します。

 顧客を類型化し都合のいいように行動を制限し操る…支配者、被支配者層への完全分断

 ここにデジタル社会と資本主義経済、それを牛耳る西洋哲学を端とする狂った思想が融合することで、デジタル監獄社会が成立します。

 彼らの提供する枠組み内であれば一定の自由と選択、表現が許されます。しかしながら彼らの決めた俺ルールや都合の悪いことに抵触した途端、牙を剥き排斥対象となる。

 その時初めて民間人は囲い込まれ支配下に置かれていることを痛感させられるのです。

 そしてその俺ルールや都合の悪いことは、彼らの機嫌によって変わっていく

はりねずみ
はりねずみ

 これら巨大企業が提供するサービスに生活や表現の自由とった権利を掴まれている。という事は重要視するべき事案です。

 『情報統制』と『大衆管理』によって富を拡大し、このピラミッド構造を意図的に構築している。

 AIを利用し大衆の反逆の手が及ばない安全圏から世界を支配する。完全な既得権益を手にした彼らは新たな新興宗教の神になろうとしている、のかもしれません。

デジタル監獄を生きる術

 このような強大な権力社会に対して、個人で対抗するのはなかなか困難です。しかしこの記事で判るように少なくとも、スマートフォンやデジタルコンテンツとの付き合い方を理解し、狂った社会に飲まれないよう、自分軸を持つ生き方が重要になります。

 今後大切になるのは日本人が持っていた双方向の対話力になるでしょう。

日本人の生きる精神『葉隠』

 この狂った社会を生きるうえで参考にする本を選ぶとしたら、この葉隠1冊で十分だと思います。

 ”意見をする場合は、その人の気質を十分に判断して、それから懇意な間柄になり、平素からこちらが言う言葉を信頼するように仕向けておく。

 話し方を工夫して、言う機会を考え、手紙や挨拶をするときなど、自分の失敗や点を語って、それと指摘しないでも『思いあたる』ようにするか、のどが渇いているとき水を飲むように、自ら望んでうけ取らせる、これが本当の意見というものだ。”

葉隠/奈良本辰也

 「私は良いが、お前は悪い、などと言って、どうして相手が喜ぶだろうか。」江戸時代に生きた佐賀藩士、山本常朝はこのように言います。

 ”一度過ちがあった者・・・・であるから、保証人になったのである。一度も過ちのない者は、これからどんな過ちをするか、かえって危険な気がいたす。”

葉隠/奈良本辰也

 西洋のかけている点がまさにこの本には詰まっており、僕たち日本人にとっても、耳が痛い内容となっています。

 自分を棚に上げて相手を批判する。一度失敗したものを徹底的に叩く。葉隠を読む限り、古来の日本人はそうではなかったようです。

民主主義とは異なる意見のすり合わせをしてゆく経験

 中道とは、見えないものだと云います。両極端に偏ったものが目に見えて現れてくる。デジタル社会はこれを増大させて中道を消滅させてしまった

 スマートフォンによって、全てが可視化、決着化したものが目に飛び込んでくる。そこには想像力が働かない

 中道が思考の中から消えてゆく。西洋の二元論的思考へと蝕まれてゆく。

 ”いまは利便性が先にあってAIが普及していますが、人はやっぱり人の心に動かされる。だからこそアナログの対話であり、やって見せて聞かせるのです。めんどくさいけど。”

X/ショウタロ

 あらゆる『めんどくさいもの』が中道を育む文化には必要だったのですが、デジタル化で効率化され加速が第一の経済システムにおいては真っ先に『省かれる』対象になってしまう。

 実はこの『めんどくさいもの』が生む副産物こそが、自分軸を育み、争いを無くし平和な社会を築くために必要であり、日本人でさえも西洋哲学に飲み込まれ忘れかけているものでした。

 その大切さに気づかせてくれたのは、日本人の精神、生き方と正反対のことを行うデジタル社会なのでした。

 

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